JBpressに連載されていた頃から興味深く読んでいたのだけれど、新書としてまとまったものを改めて見てみると、著者の明確な取材テーマが貫かれているのがよくわかる。それを「無駄と非効率のなかに宝物がある」とサブ
タイトルに集約してみせたのは秀逸だった。
とはいえ決して無駄や非効率を推奨する内容ではない。正しくは、「一見無駄や非効率に見えるものの中に最も効率的なビジネスのタネがある」ということだ。
折からの不景気で、世間は表面的な効率性のものさしだけでいろいろなことを切り捨てることに忙しいようだけれど、先入観だけで無駄だ非効率だと決めつける前に、顧客満足の観点からもういちど見直すべきものがあなたの周囲にも必ずあることだろう。
本書にはそういう前向きな物の考え方のヒントが満載である。