オードリー・ヘプバーンの人気頼みで制作された、大衆娯楽映画と言い切ってもいいでしょう。
原作者トルーマン・カポーティの小説を読んでから、後に見ました。カポーティは社会派小説を得意とする作家でして、この映画の試写会を見て、あまりの違いに激怒したという話は有名です。
いちばんの違いは映画の結末です。
興業収入を上げるためには、みんなが期待するハッピーエンドで終わらせたほうが良い。よって脚本そのものを大幅に手を加えた結果、ストーリーのつじつま合わせに無理が生じたわけです。映画はそれなりに面白くて楽しめますから一度は見てもいいです。しかし比較すると、カポーティの小説のほうが優れていると分かります。
当映画を見てから、原作の小説を読んでみてもいいでしょう。
オードリー・ヘプバーンは「
ローマの休日」で見せた若々しく溌剌(はつらつ)とした女性が記憶に焼き付いて、そのぶん魅力に欠けますね。ユニオシという珍名の日本人も目障りです。
あの当時は大ヒットした映画でしたけれど、50年の歳月が経って色あせてしまった感は否めません。
一面において、映画は時代を映しだす鏡みたいなものです。残念ながら古さのほうが表立ち、その古さに足を取られてしまう作品自体の力不足は、謙虚に認めなければならないところです。これは、いつの時代の映画にも当てはまります。
いい映画ですけど、他に数多くある名作ラブロマンス・モノよりも、絶対お勧めと言えないのが惜しいです。
音楽は良かったですが、最初に買った値段とあとから見た値段が違っていて、私が買ったときは値段が高かったです。オードリーヘップバーンが歌ってないCDなんだから安くすればいいのに 値段を下げるんだったらもっと早くしろ
「ムーン・リヴァー」って、突然頭の中に甦ってきませんか?実は、「ムーン・リヴァー」という文字を見た途端、急にメロディーが頭の中で鳴り始めて離れなくなってしまいました。このCDを聴いてようやく落ち着いた次第です。それも繰り返し何度となく聴いてですけど。映画の素晴らしさは言うまでもありませんが、映画をご覧になったら、この曲から逃れることは出来ませんね。ヘップバーン、ティファニー、
ニューヨーク、トルーマン・カポーティ。このメロディが流れるといつでも夢の世界に入っていけるような気がします。因みにこのサントラには、ヘップバーンの歌は入っていません。それがちょっと残念な気もしますが、アルバム作品としてもいいです。目を閉じれば、イブニング
ドレスの彼女が朝の
ニューヨークの街を歩く姿が見えます。こういうことを周期的に繰り返してゆくのでしょうね、きっと。