センチレンタルグラフィティ。林檎中毒まっさなかの頃、クイックジャパン誌に掲載された「Love林檎」が、巻の最後に離れ小島みたいにされての封入です。大好きこの数ページ。でもこの数ページがない方が『町田ホテル』としての本の精度はあがっていたのかもしれない。元にもどるのを願ったり恐れたり、生きている張り合いは人間扱いされない方が味わえるんだ。これは私が町田作品から受けたイメージ。これほどの意識下への訴えかけが、そこいらの作家にできるかってーの。だのに町田さんを「特殊漫画家」だなんて浅慮と不勉強をないまぜにした分別をする、いきつけの古本屋の店主以下(目をキラキラさせたアホなねぇちゃんの跋扈する)商業主義におかされた連中は見らんでもよろしい。たとえ爽快な落着はみられずとも、ダメな人がダメなことをして「あーあ、だからいったのに」みたいな、そんな話を読むことになんの不都合があるのでしょうか。いい本。星五つ。
町田ひらくの名前に釣られて買ってしまったが、11作家のマンガを集めた作品集。あまりにマニアックな作品揃いに町田の作品がノーマルに思えてくるから面白い。エロ・グロ・ナンセンスは昭和の初期からあって表現の仕方は時代によって変わって当然なのだが、これらの作品はこの系統を引く正統派の作品群といえないこともない。牧神堂氏のようなこの系統のギャグマンガ家がいるのは意外だった、笑えないオチだが。健全な青少年向けマンガの対極に位置する作品群で現代のマンガの幅の広さを認識させる。 本の最後に「編集者のメッセージ」の欄があって、早見純氏に仕事があまりないというのが一番クヤシイと書かれてある。作品内容がアブナすぎて一般紙には載せるわけにもいかず仕方ないと思うが、いかにもありそうな話で面白かった。
初期先品も網羅されてるので、見たい人が見ればな感じ、もともとファンでしたが、アル中放浪以降の作品のほうがおもしろい、今思えば星雲賞のあたりが、アル真っ最中なのかなト!
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