アンディ・デリス(vo) マイケル・ヴァイカート(g) サシャ・ゲルストナー(g) マーカス・グロスコフ(b) ダニ・ルブレ(dr)
ジャーマンメタルの第一人者Helloweenによる、「守護神伝―新章―」ツアーを収めた2枚組のライヴDVD。2007年発売。
ブラジルのサンパウロ、
ブルガリアのソフィア、そして日本の川崎の3都市で行われたライヴを収録している。とはいっても、全体の8割ぐらいがサンパウロの映像だったりするのだが。
ライヴの1曲目でいきなり、14分に及ぶ大曲"The King for a 1000 years" を披露。この複雑・劇的・壮大な展開の楽曲を、一糸乱れぬ集中力とチームワークで見事に演奏している。またこのDVDでは "Halloween" や "Keeper of the Seven Keys" といった10分越えの大曲もプレイしており、彼らのこのツアーにかける思いや意気込み、気迫が伝わってくる。そして何より凄いのは、彼らはこれら非常な体力・集中力を要する楽曲を、実に楽しそうに演奏しているという点。プロ中のプロたちによる、時を忘れるパフォーマンスをじっくりと堪能できる。
他の曲も新旧織り交ぜた、まさにベストと呼べるセットリスト。Helloween入門編としてもぴったりのDVD。
disc2の方は、
ブラジル、日本、
ブルガリアの3都市の舞台裏やドキュメンタリー、メンバー5人全員のインタビューなどが収録されている。こちらもかなり見ごたえがあり面白い。
前評判通りのポジティヴなエネルギーと疾走感に溢れた14枚目のオリジナルアルバム!
「Keeper Of The Seven Keys」や「The King For A 1000 Years」を思わせる目まぐるしい曲展開ながらも、そういった大曲よりは
コンパクトな仕上がりのM1「Nabataea」からもう素晴らしい!
続くサシャ作のM2「World Of War」は、モダンなテイストを含みつつもクサメロが炸裂するキラーメロスピチューン!
マーカス作のM4「Far From The Stars」も、ヴァイキーやアンディの数々の名曲に勝るとも劣らない大傑作メロスピだが、
なんと言っても本作のハイライトはM11「Years」!
ヴァイキーがジャンルのオリジネイターの一角としての風格を見せつける最高のアンセムだ。
全体的な曲順や流れも素晴らしく、日本ではシングルだったM5「Burning Sun」はアルバムで聴く方がかなりカッコ良く聴こえるし、
シングルに収録されていた時はよく分からなかったM8「Wanna Be God」も、シンガロング必至の
タイトル曲M9への高揚感を倍増させる良い役割を果たしている。
アルバム中盤には「Why」と「If I Could Fly」を合わせたような、いかにもアンディらしくウェットで美しいM6「Waiting For The Thunder」や、
サシャの美しく切なくダークなパワー
バラードの佳曲M7「Hold Me In Your Arms」も収録されているし、アップテンポの楽曲が中心のアルバムのなか飽きさせない良いアクセントを加えている。
高速かつシリアスなサシャ作のM13「Church Breaks Down」でアルバムを締めるのも気持ちがいい。
長々と書きましたが、とにかくメンバー全員の個性がフルに発揮されながらも、どこを切ってもHelloweenな名盤です!!
この限定盤のみ収録のM14「No Eternity」もかなり優れたメロスピだが、「Years」や「Far From The Stars」と雰囲気が近いのでボートラなのだろうか。
もう1曲のボートラM15はギターの半分をハモンドオルガンに置き換え、故ジョン・ロードへのトリビュートの気持ちも込めた楽曲!雰囲気はオリジナルとあまり変わらない気が。
特典は、バンド名をあしらった枠に、黒地にオレンジでパンプキンの目鼻口がデザインされたバンダナで、なかなか良い感じ!