この作品には様々な対比・対立関係が描かれていると思う。
医師と患者、教授と助教授、大学病院と
開業医、富裕と貧困、権威と弱小、原告と被告、良心と利己主義、社会正義と人情のしがらみ。それらが複雑に絡み合い、もつれ合い、一筋縄では行かないどろどろとした人間ドラマを展開してゆく。
一話観終わるごとに続きが気になって、はらはら、どきどき、やきもきしながらもう一話、もう一話と先を進めて行った。根を詰め過ぎ、あとでぐったりするほど集中して観た。
とにかく田宮二郎の存在感が凄い。鋭い視線、厳しい姿勢、時折見せる気弱な表情、涙に滲む目。言葉無しであそこまで様々な感情を表現できる名演技に深く感じ入った。
最初のうちは、田宮演ずる財前五郎に同感・同情できる部分もあるのだが、それが徐々に傲慢、権力むき出しの独裁者になってゆく、その過程が非常に面白いと思った。ダーティーヒーローとしての財前を応援したい気持ちと、社会正義に鑑みて制裁を加えてやりたい気持ちと、相反する二つの感情に左右され、観る側の心も大きく揺ゆれる。財前が医師としての良心に目覚める時、実に悲しい結末が待ち受けていて涙を誘う。愛せないけど憎みきれない、捨てるには惜しい才能と生き様。人間の醜さと素晴らしさをこれほどまでに身近に切実に感じさせてくれる作品は滅多に無いと思う(最近作られたリメイク版、どうしても田宮版と比較してしまい、素直に楽しむことが出来ない)。さすがはドラマ史上に残る名作である。
ひょんなきっかけで集ったダメ男5人が、北海道の温泉街に”殺し屋”として招かれ・・・という映画。全般的に喜劇。昔ながらの笑いが楽しめます。また、当時の街の風景などもよく映っていますので、ドリフと共に青春を過ごした年代の方は懐かしく思えるところがいっぱいあるかと思います。