ストーリー、映像、音楽のクオリティの高さはいまさら論じるまでもないので、ここでは少佐が去って9課でもっとも変容したトグサに焦点を当ててみたい。
荒巻課長がなしえなかった家族の理解を取り付け、義体化もして9課のリーダーとなったトグサ。タチコマに「ささやきが足りない」と評されたころからは格段に成長していて、適材適所で堅実に捜査を進めていく。課長の人事の意図もこの堅実さあるのだが、言ってみれば公務員の「お仕事」だ。9課らしさともいえるスピード感とダイナミックさがない。バトーがなじめないのも当然。
9課メンバーの力関係がうかがえるのが捜査会議の場面。オーソドックスなリーダートグサとそれぞれの役割をこなす新人。サイトーが隣に座ったとたんそれまで態度のでかかったアズマがおとなしくなるところは笑える。2nd GIGで
ポーカーに負けてから頭が上がらないんだろう、などと想像力がふくらむ。そんな存在感を持ちながらも、きちんとリーダーを立てるサイトー。これに対して、遅刻してもまったく平気なバトー。それに文句をつけるのがリーダートグサではなくイシカワだ。トグサは、退室間際のバトーに課長の意向を伝えて、なんとかリーダーの面目を保っている。
それでも怒れる男トグサの青臭い正義感はいまだ健在。達観者イシカワや、世の中に対して斜に構えているパズ、アウトサイダーを自覚するボーマにはとうてい持ちえないこの正義感は、後半、組織の牽引力になっている。少佐の求心力にはとうてい及ばないが、トグサの強みであることに間違いはない。
事件の終結はネタバレになるので避けるが、この作品は単体でも十分楽しめる。
攻殻好きにとっては、全編に原作コミックや押井監督の劇場版2作品を思い起こさせるところがあり、また違った楽しみ方があるだろう。
ただ、攻殻の世界をまったく知らない人にとっては、ストーリーがわかりづらいと思われるので、評価は星4つ。
このマグカップの容量は、缶コーヒー1本分(約180ml)程度です。缶コーヒー1本を入れると、いっぱいになります。
クオリティとしては、500円程度と感じています。
本商品に送料も含めて1300円以上出すのは、割高です。
私のような
攻殻機動隊好きの足元を見た価格設定です。
原作の映像を単行本化した感じの出来。少しコミカルに描かれている部分以外は原作と同じ。
強いて言うなら、ストーリーを解りやすくしている。解説もあったり。
原作をみて、難しくて理解しがたい・・・と思う人には一読の価値
アリ。
ただ、映像に比べスピード感が断然落ちている。当然だが、スピード感が上がると理解するのが難しい。
ただ、ふと見たくなったときに紙媒体だとすぐ見れる、という利点はあるかも知れない。
原作を超えないが、本としての本来のメリットはある気がする。
そこまで好きではない人には薦めれないが、好きな人にはお勧めの一冊。