再び大学生が主人公となった、メモオフシリーズの5作目です。
この作品の特徴は、何と言ってもメインヒロインである麻尋視点のリバースカットです。
このリバースカットをプレイすることで、麻尋の行動の意味や本編の裏で何が起こっていたのか、そして重大な過去の物語を知ることが出来ます。
散りばめられた伏線の回収という意味では、ever17を想起させるほど練られています。
残念なのは、本編の根っこである過去の出来事に絡む麻尋とあすか以外のキャラクターのルートがかなり微妙な出来であることです。
おそらく、メインイベントを作り上げたところで息切れをしてしまったのでしょう。
メインが秀逸なだけにその差が如実に出てしまっています。
限定版には、メモオフPSPシリーズではお馴染のサントラ・キャラソンCD以外に、アニメ化には恵まれたと言い難いシリーズの中で唯一まともな出来と言える「Memories Off#5 とぎれたフィルム THE ANIMAT
ION」のDVDが付いてきます。
好みはあると思うので、気になる人は限定版を、という感じです。
メモリーズオフは新作が出る度に新しい取り組みをしていると思います。ただ今まではシステム的に便利になったこと以外はあまり変わったところはなかったんですが、今回はシステムだけでなく全体的に変わっています。主人公の春人がグラフィックに出ているとこや、声も入っていますし、ヒロインの麻尋視点のストーリー等があり新しい取り組みをしようとしている
スタッフの意気込みが伝わってきます。ただヒロイン一人一人のストーリーが単調でメモリーズオフシリーズの中ではあっさりとクリアしてしまう面もあり一人一人のストーリーが短いのでちょっと感情移入してプレイ出来なかったです。メモリーズオフシリーズは攻略本がないと100%クリアはなかなか困難ですがこれは麻尋編以外は簡単です。ただ全体的なストーリーはなかなか濃いので僕は星5つにしました。今までのメモリーズオフファンには指示されにくい作品に仕上がっていると思いますが、やり甲斐はあると思います。ただ春人の声はミスマッチかな〜。ちなみに春人の声はロックマンXの声の人です。