親の立場から、心理学者の立場から、リアルな障がい児との生活を通した気持ちや心構えが書かれています。診断を受けたばかりの方やもしかしたら・・・と思っているお母さんに読んで欲しい1冊です。私は、子供が自閉症の診断を受けてから1年ですが、この本をよんで、子供に接するときの自分のあり方を再認識しました。障がいのある子に対しても、その兄妹たちに対してもやさしくなれる本だと思います。
高2で書いた本作で,史上最年少の文藝賞受賞という話題性。また,富田靖子が主演した映画(サザンの挿入歌がピッタリしてとてもいい映画だった)。あの頃,色々と話題を集めた作品で,1960年代生まれの人なら少なくとも
タイトルを知らない人はいないのでは?
そうした,私にとって「名のみ有名な」本作を,今回読んでみたら,意外とよくて驚いた。
以下に引用するように,読んでいて1980年にタイムスリップしたような感じがするほど,当時の風俗をうまく取り入れながら,高校生の頃の心の動きをよく描写していた。さすが,文藝賞は伊達でない。
《「あの,人間以外の生命尊重ということ,イルカがよく言うよ。あの人,いつ見てもいいなぁって思う。」
「うん,あたしも。それと,八神純子の新曲もそうみたいよ。」
「きいたことないなァ。」
「なんだっけ,『Mr.ブルー』だったかな。」
「ヘェ,あの人,色が好きね。」
「ウン,それがね,地球に対しての愛情の歌なんだ。あんまりきれいすぎるから,しらじらしくていまいち説得力に欠けると思うけど,松田聖子や田原俊彦が全盛の時期に,そういう歌を歌うというのは立派な根性だと思うわ。」》(148〜149頁)
《これだからアイコは,ピーマン娘,などと呼ばれてしまうのだ。今のアイコに至っては,ピーマン以下である。種さえもない,すっからかんのからっけつだ。》(155頁。「ピーマン」って,今の子には通じるかな?)
1980年をノスタルジックに振り返りたい世代の人にはお勧め。