ベスト・モーツァルト100 6CD |
音質もよくパッケージも良い感じで買って後悔はしていませんが、ただ少しオペラ曲が多過ぎる気がします…。これだけもオペラが入っていると少し飽きてくるのでは…とも思いました。私的にはオペラよりも協奏曲や管弦楽器、クラリネットやフルートなどの曲集もたくさん入っていてほしかったです。 しかし音質などは良いので聴き心地は良いです。やはり初心者よりもある程度クラシックに興味を持っている方が曲の良さや奥深さが感じ取れる気がします。 |
クラシック・ベスト・ヒットMORE100 |
クラシック入門に最適です。抜粋収録も多いのですが、あくまで趣旨を考えてみれば、十分満足といえます。ちなみに趣旨はといえばエントリ向けということですが、一例を挙げると各CDにテーマが付されています(4枚組み)。1は安らぎ、2はさわやか、3はロマンティック、4はドラマティックという感じです。こういった面からもクラシックに抵抗意識がある人にも扱いやすくこの一枚からはじめたらどうでしょうか。 |
ゲーム理論と経済行動〈2〉 (ちくま学芸文庫) |
さて、待望の文庫化の2巻目です。この巻では、ゼロサム2人ゲーム(ゼロ和2人ゲーム)からゲームの合成と分解まで収録されています。若干、翻訳が古いため時代を感じさせますが、評価の定まった本ですので、仕方のないことかも知れません。今後も改訳版が出されないと思われますので、この際に全3巻を購入して読まれることをお薦めします。ゲーム理論は本書から出発したので、本書を読むことによりゲーム理論を考えて見ましょう。 |
ゲームの理論と経済行動〈1〉 (ちくま学芸文庫) |
後の経済学に絶大な影響を及ぼした本書は、人間行動を数学的に記述することを試みています。著者らは、今まで経済学において数学が適用されてこなかったのは、経済学の問題が定式化されてこなかったことと、経済における経験的事実(すなわちデータのことでしょうか)がきわめて限られていたことにあると説きます。フォン・ノイマンとモルゲンシュテルンは、物理や化学など、数学がいまや主要な分析道具になった分野においてさえも、事象を数学的に記述することは不可能だ言われた時期があったのであり、人間行動においてはそれが不可能であるということはできないと主張します。著者らはまた、物理学における数学の適用過程に微積分が生まれたように、新たな分野に数学を適用する際には、数学そのものも進歩するのだと述べています。
そんな人間行動を数学的に記述する書と聞くと、壮大で大上段から事物を論ずるような本を想像しがちですが、著者らは、分析は地味で控え目なものと述べています。しかし同時に、分析の対象が地味であることは、その研究の価値が低いことを決して意味しないと著者らは説きます。次の文章には、一度ならず繰り返し読む価値があると思います。 「どのような科学においても偉大な進歩が生ずるのは、究極の目標に比べて控え目な問題を研究してゆく中で、後にますます拡張されてゆくような方法が開発された時期である。自由落下は全くありふれた日常的な物理現象であるが、力学が生みだされたのは、まさに、この実に単純な事実の研究の結果であり、それを天文学のデータと比較考量したおかげであった。」 そして、次の文章は、僕が普段行っている仕事と関連しても、また、研究一般においても、非常に重要な心構えについて述べていると思います。当たり前の事柄を厳密な形で記述することを積み重ねることによって、理論は経験的な「常識」を上回る可能性を有するに到るのですね。 「理論が最初に適用されるのは、結果が自明であって、しかも理論など実は必要としないような初歩的な事柄でなければならない。この初歩的な段階での適用は理論を補強するのに役立つ。つぎの段階は、理論が多少複雑な状況に応用されるにつれて展開されてくる。この段階までくれば、理論はすでに、自明なことや常識的なことをある程度超えた結果を導いてくれる可能性がある。この段階では、理論と応用とは互いに他を補強しあう。この先に真の成功の領域が横たわっている。つまり、理論による正真正銘の予測がそれである。周知のように、数学化されたあらゆる科学は、これら一連の発展段階を通過してきたのである。」 |
社会を読み解く数学 |
松原先生は、統計学者としては最も多作な方だろうが、その著作はすべて一読の価値がある。本書にも先生の博覧強記と守備範囲の広さが遺憾なく発揮されている。学生はもとより、応用数理に関心を持つビジネスパースンにも一読をお勧めしたい。 |