天と地と 天の盤 [DVD] |
言われているほど駄作ではありません。
むしろ個人的には大好きな映画です。 スペクタルというよりも叙情的なイメージの映画です。 謙信が渡辺謙さんだったらという方も多いですが この映画では榎木孝明さんで正解だったと思います。 本来、国主になりたくはなかった男が徐々に追い込まれていき 最後戦国武将として生きる事を決意する流れを榎木氏は良く演じています。 あまり台詞は多くなく俳優さんの熱演で場面が持っている感じがあります。 キャラクターの心理描写の解釈は視聴した観客に下駄を預けた感がありまして そういう意味で万人向けでない映画だったのだと思います。 話題になりませんでしたが意外に面白いのは鉄砲の使い方ですか。 戦国時代の神仏頼み(諏訪太鼓)、一騎打ちの中世が 一発の銃弾でぶっ壊されていくのは印象的。 川中島で鉄砲が大量投入(両軍で1000丁?)されたあげくに二段打ちしているのはトホホですが。 武田本軍の前に上杉軍の大軍が現れるシーンは圧巻。 その後の大乱戦はスゴイの一言です。 あとは伊藤敏八さんの柿崎が無茶苦茶カッコよかった!! |
NHK想い出倶楽部II~黎明期の大河ドラマ編~(5)天と地と [DVD] |
伝説の大河ドラマ「天と地と」で唯一現存する「川中島の戦い」の回をDVD化したものです。
レビューを書かれている方もおられますが やはり川中島で霧が晴れ、上杉軍が信玄の前に現われるシーンは寒気も立つほどすごいです。 黙々と進軍する上杉軍。 あまたの兵士の中で白い頭巾と白馬にまたがり駆ける謙信!! この作品が放映されてから40年も過ぎますが このシーンを越えた川中島はありますまい!! そして一騎打ち。 若くして哀しみを知り義と意地で対決する謙信(石坂浩二)と 神のごとく悠然とそして不敵にその剣を受け止める信玄(高橋幸治)は素晴らしい。 対等な立場の描写で戦いあう謙信と信玄はこの作品だけではないでしょうか? テレビドラマの範疇を越えている。 音楽も素晴らしく今でもできればOSTを出してほしいほどの作品です。 私の生まれる前に放映された大河ドラマ。 願わくば全話観たいのですがテープが一話しか残っていない、幻の作品です。 たった一話しか残っていないのですが この一話だけでもそれまでの謙信と信玄が歩んできた道が想像できる 素晴らしい作品でした!! |
天と地と -HEAVEN & EARTH- 地の盤 [DVD] |
天と地とは、海音寺潮五郎さんの原作をまず最初に読みました。架空の登場人物やエピソードが史実にうまくはまっていて、なかなか面白いです。あまりにも読み物的になっているので、史実重視の人には不満かもしれませんが。映画は公開当時に劇場で見たのですが、印象としては原作を台無しにされた、と思ってしまいました。原作を脚色しまくりほとんど別物になっています。歴史ファンでない人には、長尾景虎の人格形成やストイックな行動原理は、少年期のエピソードがないと判りづらいのでは?と思うのですが、この辺りはかつて劇場公開時にTVスペシャルとして製作放映されています。日本の四季を意識した映像や、赤い集団と黒い集団がぶつかり合うクライマックスなど映像は綺麗で、迫力がありますし、小室哲哉のBGMも映画を盛り上げてくれます。しかし、ストーリーは無いに等しいのでじっくり観る映画というよりも、バックビデオとして映像と音楽を楽しむぐらいの軽い気分で観るといいでしょう。 |
執念谷の物語 (新人物文庫) |
表題作は、最も戦国時代らしい歴史小説。小県郡あたりのややこしい地政を舞台に、人間性にやや問題のある豪傑の生涯を描いた秀作。明治生まれの作家ならではの無骨で乱暴な武者の描き方は、司馬遼太郎以降の作家では出そうとしても出せない味わいがある。現代人の細やかな精神構造とは大分違う人を人とも思わぬなりふりが、現実感がある。だがそれがまた終幕の悲壮感を高めてくれる。平将門や西郷も著者ならではの本物感があるが、著者の真髄は「戦国時代」だと思う。 |
天と地と 下 (文春文庫) |
下巻では中巻の後半で出始め武田信玄(晴信)が本格的に登場してきます。
作者の別著「武将列伝」で武田信玄のことを調べているうちに、ライバルの上杉謙信に興味を持ち、書きたかったが書けなかった経緯もあるのか、二人の対比が多いように思います。謙信の「理想主義」に対して信玄の「現実主義」など見ていると面白いです。また、自分にあてはめて考えてみると「どっちだろう?」と考えさせられます。 本書を読んで武田信玄にも興味をもったので、新田次郎の「武田信玄」も読んでみ要と思います。 |
天と地と 上 (文春文庫) |
2009年の大河ドラマ「天地人」を見て上杉謙信に興味を持ち、本書を読んでみようと思いました。司馬遼太郎の「国盗り物語」や「関ヶ原」などを読んで知ったきになっていましたが、「戦国史はまだまだ深い」ということを本書を読んで思い知らされました。
上巻ではまだ「上杉謙信」ではありません。まだ、その前の「長尾景虎」の段階です。上巻の特徴は謙信(景虎)の話よりも、生家・長尾家のお家騒動が多く扱われている点です。織田信長にしろ武田信玄にしろ、有名な戦国武将は必ずお家騒動を経ていますから、「お家騒動」は天下を取るためには避けては通れない道なんだと思わされます。 後半では武田晴信(信玄)もでてきて今後の展開を予想させられます。中巻以降も楽しみです。 |