禁じられた遊び(トールケース) [DVD]
1940年6月、南仏の田舎。ナチの爆撃機の機銃掃射で両親を失い、彷徨い歩く5歳の少女ポーレットは、農家の少年ミシェルと出会い、彼の家に連れていってもらう。ポーレットが抱いていた死んだ子犬の墓を作るミシェルから、死んだものを葬る事を教わったポーレット。十字架を立てて死んだものを葬ることを覚えたポーレットは、ミシェルと一緒に死んだ動物たちのお墓を作って遊ぶようになる。・・・
戦闘を描いているのは、最初の機銃掃射の場面くらい。あとは牧歌的な南仏の田舎の風景が広がり、その中で無邪気に遊ぶポーレットとミシェルがいます。ゴキブリやモグラ、ヒヨコなど自分の身近で死んだ動物を葬るために、やがてミシェルは墓場から十字架を盗んでくるようになります。2人の何気ない遊びが大人に知れてしまったとき、大人は目くじらを立てて怒るのに、一方でミシェルの家族は、隣人といがみ合い、ついには墓穴でとっくみ合いの喧嘩までしてしまう。子供の無垢な視点から浮き彫りにされる大人達のエゴ、そのために戦争も起こってしまったんだと思うと何だかやりきれなくなりました。
ポーレットとミシェルを演じた2人の子役の演技は、実に見事です。ナルシソ・イエペスの物悲しいアコースティックギターの音色も、この映画にマッチしていて一層気分をかきたてられます。戦闘の場面は少ないけれど、この映画は戦争の愚かしさを訴える、見事な反戦映画だと思います。
バッハ:リュート作品全集
わたくし自身、このアルバムに収録されている曲を、ギターで弾いていましたが、演奏するたびに、リュートで弾いてみたいと感じたものでした。そういう私にとっては、たまらない魅力が感じられます。とても、リュートらしい響き。曲の解釈もとてもいいと思います。『旅人Jのひとりごと』というブログに試聴曲を用意してみました。
バッハ:リュート作品集
イエペス氏の作品ということで、10弦ギターによる演奏かと予断と偏見を持って買った。
本作品で、イエペス氏はリュートを弾いている。
初めて聴いたときは、バンジョーか?と思った。
ギターのリバーブ感とは異なる、独特の乾いた印象。
リュートという楽器をよく知らないので、そんなもんか、という受け止め方である。
普段、イエペス氏の謙抑的なアプローチとギターの豊潤な音色の組み合わせに、えもいわれぬペーソスを感じている。
リュート作品では、イエペス氏のドライさが強調された印象だ。
お約束のBWV996Eマイナーもしっかり収録。
本作品は、6弦ギター奏者にとっては、
イエペス氏という斯界最高峰のギター演奏家の解釈による
オリジナルの音の動きを知ることができる点で、
古典楽器専門家によるマニアックな音源とは違う価値を持つと思う。
禁じられた遊び~アランフェス協奏曲
アランフェス協奏曲のAdagioが好きです。
最初は、マイルスデイビスのCDで聞き、曲が気に入ったので、
本作品も聞くようになりました。
全体にギターの良さを感じる曲がたくさん入っている玉手箱のような感じです。
禁じられた遊び/ナルシソ・イエペス
亡くなって10年以上経過しましたかね、イエペスは可也来日しました。彼はNHKのインタビューで「禁じられた遊び」は私が作曲して母に贈ったものだ、と断言していたが一般的には現在でも「古い民謡」としか認知されていない。しかし乍らこの曲のお陰でどれだけギター人口が増えたことか計り知れない。名画禁じられた遊びは古いカタロニア民謡やラモーの二つのメヌエットなどを加え、セゴビアの助言も聞きながら完成し、世界中にイエペスの名を轟かせた訳ですね。このディスクには「おはこ」の名品ばかり、特にサンスのスペイン組曲は彼が良く取り上げる曲で生粋のスペイン音楽家と感じさせる一面だと思います。