本DVDセットの最大の魅力はDISC2のメイキングでしょう。
たっぷり50分、撮影風景や舞台裏が覗けます。
子供たちが天コケのキャラそのままで、もう一つの天コケを観てる気分になれます。
島根の美しい風景が、映画の中の切り取られた風景ではなく自然のままに楽しめるのも嬉しい。
未使用シーン集は「これは使っても良かったんじゃない?」と思うようなシーンもあって必見です。
くるりのPVは映画のシーンのみを紡いだ構成で、映画のダイジェストのよう。
天コケもう1回観たいけど時間がない、という時に観れば映画を見返した気分になれます。
ファンの方は是非初回生産版を手に入れてください。
【映画について(ネタばれあり)】
若者は重いテーマや突き刺すようなメッセージ色の強い映画をどんどん観れば良い。
緻密に練られた脚本や意外な展開に興奮すれば良い。
この映画は、そんな映画は見飽きた大人を単純に楽しませてくれるためのものでは無いかと思います。
大人になる過程での現実の壁、子供ゆえの無力さ、大人の都合に振り回される子供たち・・
そんな定番の設定は全くない。
田舎っ子も都会っ子も同じ。
親の離婚問題? 障害(親の反対)のある恋? 結局は切ない別れ?
こちらが予想する定番の展開は全て肩透かしを喰らいます。
多くの映画を観てきた人ほど新鮮に感じるのではないでしょうか。
同世代の人が観るとリ
アリティに欠ける部分はあるかもしれない。
しかし大人には、単純に「あの頃に戻りたいなぁ」と思わせてくれるのです。
「もうすぐ消えてなくなるかもしれんと思やあ、些細なことが急に輝いて見えてくる」
「いつか、こうして皆で登校したことが夢みたいに思うときが来るのかもしれない」
大人なら誰もが思い当たるセリフ。
手の掛かる我が子を見ながら、これも夢のように感じるときが来るのかななどと目を細めます。
これらのセリフは原作には見当たらなかったので、脚本の渡辺さんが上手にテーマづけしたなと思います。
後世に残したい作品と言えます。