書き出しの「つかみ」は見事。見開き二頁読んだだけで、引き込まれてしまった。これが作者の“罠”だとわかっているのに続けて読まずにいられない。各所に満載の「くすぐり」もぬかりない。主人公を不幸にするためにへたな同情もせず、サディスティックに虐め抜く。とくに妻のイジメはなかなか巧みに追い詰める。…そして、延長なし最終回の裏、逆転満塁サヨナラホームラン!
実に良くできた「小説」です。
予めネットでチェックしたのだが、殆どがネガティブな感想だった。
私なりに、考察してみた。
この本は、
『邪馬台国はどこですか?』
『新・世界の七不思議』
シリーズの、第三弾。
以下の7話。
「原日本人の不思議」
「邪馬台国の不思議」
「万葉集の不思議」
「空海の不思議」
「本能寺の変の不思議」
「
写楽の不思議」
「真珠湾攻撃の不思議」
『邪馬台国はどこですか?』の最後に、付記として、
宮田六郎氏がコメント。
「これは私の仮説であり、執筆はKさんへお願いした。」
この本は、今迄と作風が変わってしまっており、
そこがネガティブな感想の原因となっている。
なぜか。
『邪馬台国はどこですか?』
を出版した後、邪馬台国について追記したい事項が出てきた。
恐らく、宮田氏が鯨氏へお願いしたと思うのだが、
続きをバーで語るというのも、
ストーリーを作るのが難しかったのではないか。
そこで、宮田六郎と早乙女静香はそのままに、
新たな展開を考えたのではないか。
しかし、
「邪馬台国の不思議」
「本能寺の変の不思議」
の2つは、『邪馬台国はどこですか?』の補足のような内容となっており、
頁も薄いが、内容も薄い。
特に、「本能寺の変の不思議」は、不要だったのでは?
他については、まぁまぁかと思うが、
『邪馬台国はどこですか?』までには至らない。