中学への入学を控えた春休み。
祖父の家に
引越してきた巧。
巧は野球に全てをかけている少年だった。
引越し早々、巧は豪という少年と出会う。
そして、彼らはバッテリーを組むこととなる。
二人は仲間とともに中学の野球部に入部するのだったが…。
キャッチボールを観て泣いたのは初めて。
巧と豪の成長の物語なんだけど、原作を上手くまとめたと思います。
野球を良く知らなくても十分楽しめると思います。
評価は星5つ。
久々に満足のいく作品でした。
絶対観て損はないですよ。
余談から始めたい。
先日、あるラウンジで、ワンテーマ・カラオケと称し、角川映画のテーマ曲を次々と歌う内、南佳孝による今作の主題歌を入れた処、これって角川映画だったの?と皆に言われ、答えに窮してしまった。
だって、原作は片岡義男だよ、でも、今日では、角川映画が角川書店のメディア複合型ビジネスモデルであった事さえ知らない人たちが多いと思い、説明するのを止めた。
で、どんな映画だったの?と聞かれ、またまた答えに窮してしまった。
81年の公開時は学生だったが、青春映画としての浅野温子と古尾谷雅人の若者カップルの物語よりも、
山崎努や原田芳雄ら中年男たちのぐだぐだとした生き様の方が妙に印象に残っていたからだ。
とは言え、21歳のガキには、不良中年たちの情念など分かるハズもなく、初見時は、作品に流れる微熱と倦怠なムードに酔っていた感があった。
あれから30年、すっかり彼らの年齢に追いついてしまった今でなら、当時とは違った思いを抱くんじゃないかと思い、購入、早速鑑賞した。
本作の
山崎努は、アパレル関係の会社役員だが、もう長い間出社していない。妻と離婚、養育権を巡り、調停中のようだ。
更に、仕事上の関係で知り合った原田芳雄と浅野妙子の夫婦と三角関係に陥り、どちらが父親か分からない子供の養育費を払い続けながら、今も三人で奇妙な同棲生活を送っている。
そんな山崎が愛車ムスタングで拾った女が浅野温子。親子ほどの年の差があるふたりだったが、アンニュイな中にも互いに惹かれる関係となっていく、、、。
収まり返る事が出来ない、分別を持って生きていく事が出来ない、みっともなくもぐだぐだとして、拘り、つっぱりながら人生を始めようとしない、愛のさすらいびとのような男の心情。
如何にも、あの時代の中年の心情吐露映画みたいな感覚で、さすがは、監督藤田敏八、脚本内田栄一作と認識出来、改めて面白く観れたが、どこかで甘いと思えてしまうのは、自分が分別ついたツマラナイ中年になってしまったとの事なのか。
それとも、今は、こんな“夢”を見る事すら出来ない時代になってしまったとの事なのか。
浅野温子は当時20歳。今、見直しても、実に凛々しく魅力的だ。
それに、その脱ぎっぷりと愛欲シーンでの艶やかな色気っぷり、惚れ惚れする。
それにしても、藤田敏八、内田栄一を始め、出演者の原田芳雄も、伊丹十三も、室田日出男も、古尾谷雅人までもが亡くなっている現実。
この30年間の歴史の変遷に、ちょっと慄然としてしまった。
初めてこのドラマを見たときは中学生でした。今自分は三十路。ドラマの中の矢吹薫(浅野温子)と同じ歳になってまた見たくなりアマゾンで購入。2晩に分けて見ましたが、一瞬で初めて見たときのあの感動がよみがえりました。
今回DVDを見て気づいたことがあります。それは浅野温子と
武田鉄矢の純粋な恋愛ドラマ以外のストーリーです。例えば江口洋介は
武田鉄矢の弟役としていつも兄を心配する優しさを見せてくれます。何度も兄の
武田鉄矢をかばうシーンがありますがとても感動します。
最初は浅野温子に求婚をしていた
竹内力は途中まで嫌な役ですが途中から潔く身を引き、浅野温子のよき理解者、そして
武田鉄矢にエールを送る好青年です。
私が一番気に入ったのは江口洋介と田中律子の仲です。気づかぬ内にお互いに惹かれ会っている二人。とても甘酸っぱい気持ちに成りました。
そして
武田鉄矢の、なにがあってもどんな時でも浅野温子を思い続ける誠実さには脱帽です。かっこいいセリフだけではない。みんなの体当たりの演技がとてもいい!
浅野温子のあの涙は本当に流れているんだろうなと思わせてくれます。大好きな恋人を結婚式当日に失う辛さ。やっと誰かに恋できるようになった直後に、昔逝ってしまった恋人と瓜二つの人と出会う。まさに「息が止まる」思いでしょう。
最近のドラマではここまで色々な役に個性を持たせていないような気がします。そしてこの101回目のプロポーズはいつまでも色あせない名作です。このドラマで使われていた SAY YES は結婚式で使わせてもらいました。このドラマを見たときからいつか結婚したらこの歌を流したいと決めていたので。絶対に損はないです。見てみてください。