人生の機微をついた巧みな話術、楽しく聞ける話の数々、笑のなかに人々の生き様の真実を 鋭くつく内容に引き込まれます。
何度も読み返して、何時までも心のなかで問いかけていきたいです。
好きな巻から聞いても気付いたら全部聞いていました。気兼ねなく聞ける全集です。ちなみに私は、第7巻から聞きました。是非お勧めします!
人生の中で生じる、苦しみ、悲しみ、怒りなどの場面に直面したとき、
魂を優しく包んでくれるような、前向きにしてくれるような本であると思います。
他のレビューアーの方がお書きになっているとおり、筆力の衰えは覆うべくもありません。 「夏の終わり」、「花芯」、「あなただけ」のような脂の乗りきった時期の名作・傑作を期待したら、確かに当て外れでしょう。
しかし、です。作者の年齢(90歳?)を考えると、驚異的だと感じました。 うーん、生涯現役とは、瀬戸内さんのことではないでしょうか。
あえて星五つをつけさせていただきました。 老境作家の筆力には、なんだかんだ言っても、読ませるもの(→衝迫するもの) がありました。 ただし、「夏の終わり」、「花芯」のような完成度、官能の高鳴り、性の深淵をのぞき見るような神秘感を期待しないで、 「爛」とは、こういう作品だ、と思ってお読みになることが、あくまでも大前提です。
|