途中で入る「サイケデリック」なシーンなどに古さは感じるものの、アメリカニューシネマの傑作。都市社会の底辺にいる
ダスティン・ホフマンと、西部の田舎者のジョン・ボイドとの友情物語は、悲しくはかなく、救いのない旅で終わる。夢のカリフォルニアは多くの米国人にとっても、遠いものなんだろう。かつて日本のドラマで「傷だらけの天使」というのがあったけど、あのモチーフはこの映画なんじゃなかろうか?何にせよ、薄汚れた都会の片隅にも、ささやかな夢があり、それさえも踏みにじられて行く。それもまたアメリカらしさなんだろうか?
最近初めて視聴しましたが、リアルタイムで見たわけでもなく、
世代も違うものが見ても中々、感傷を揺さぶるいい映画です。
さすがアメリカンニューシネマを代表する映画と言われるだけの
ものはあると思いました。
最近の映画の中から面白い映画を探すよりも、過去の評価の定まった
名画を見たほうが当然のことながら当たり率は高いでしょうね。
故人、水野晴男先生命名のカーボーイだけあって、何かホモセクシャルな
空気が漂う。
どうも、真夜中のカウボーイ自体、ゲイの隠語らしいですね。
男たちの友情が昇華すると、悲劇的なラストと相まってプラトニックな恋愛に
似た高貴なものに変化する。
全部は見ていないけど、日本のドラマ「傷だらけの天使」もオチといい、
この映画というかアメリカンニューシネマの影響を多分に受けていただろうことを
思わせる映画でした。
ダスティン・ホフマンは確かにうまいけど、俺ってウマいだろ?という
過剰な演技がやや鼻につく。それよりも、カーボーイ役で大根役者として
有名らしいボイトの田舎モノぽい素の演技がかなりハマって可愛かったです。
いやあ、映画って本当にいいものですね。
オープニングは希望に満ちた目を持つジョン・ヴォイトとジョン・バリーの明るく 少しせつないメロディの曲から始まる。私は最初この映画は男のロマンを描いた西部劇だと思っていた。
実際の内容は えらく退廃的なものだった。その中でジョン・ヴォイトとダスティン・ホフマンとの純粋な友情やほんの少しのユーモアが光る。ジョン・ヴォイトの芸術的な妄想やトラウマの表現の仕方は見るものを圧倒させ、監督ジョン・シュレンジャーの力量をうかがわせる。
挫折はどんな人にとってもドラマなんだと実感する映画だった。
ニューヨークを舞台に性格がまったく正反対の男二人が生きるということに的を絞って繰り広げる物語。タフなお人好しの田舎モノのカーボーイと、都会の喧騒を武器に生きる弱々しい男の立場が逆転するところが見もの。ハリーニルソンの歌に乗せ、友情が信頼に変わるラストシーンは必見。