この作品しかり「ザ・レイプ」しかり、この時代の田中裕子は、ヨゴレ役をやらせたら天下一品の存在であったように思います。 周囲の環境のせいか年齢のせいかは知りませんが、最近はすっかり達観したような役柄が多いような気がするのは、彼女の一ファンとして淋しい限りでありまして、 「ドスの効いた」演技に関しては日本の女優の中ではあとは白石加代子ぐらいしか思い当たりません。
彼女の演技の凄みは、台詞や行動として表現したときよりも、むしろ押し殺している時に立ち上ってくる気配にあります。 本当に怒っている時には無表情になるタイプの人っていますが、直情的に怒るひとよりもずっと恐ろしかったりする、そのあたりを本能的に知ってる女優だと思います。
ヨゴレをやっても下品にならず、気品を感じさせるのはその芯の強さが圧倒的だからなのですが、 最近その凄みを感じる役柄が無いのは、脇に回るにはあまりに存在感が強すぎて、隠さないと芝居が成立しないせいかしらんと・・・
さすがに大御所だけあるのはもちろんだが、なかでもウイスキーはお好きでしょ はリピートがつづく。
ぼくは独り者なので「浮気」というものは体験のしようがないのだけれど。 甘く危険なものに違いない。現実問題としてはさほど危険ではないのかもしれないが、フィクションの世界では危険であることに間違いない。 (危険でなかったら、題材にならないのだけれど)
「凶器」 一方的に思いを寄せられた未亡人が襲われたので、正当防衛(過剰防衛?)した話である。 普通犯人は悪者なのだけれど、これは犯人が逮捕もされずに生きていくはずなのだけれど、読んでいて心地よい。
「寒流」 力のあるものとないものが戦ったらこうなるというお手本みたいな話だ。
「遭難」 浮気された復讐なのだけれど、これは殺人なのだろうか?という疑問が残る。 ただ、犯人の計画性は、異常なものを感じるけれど。
どれも、謎解きより、登場人物たちの心の葛藤や言動が生々しい。 やっぱり何冊読んでも思う。松本清張は推理作家でなく、心理小説家なのだと。
松本清張原作だけあり、ぐいぐい物語りに引き込まれて見れます。原作も読みましたが、原作よりもドラマのほうが数倍好きです。原作よりも、ハナと多吉の関係がとても純粋。忘れかけていたピュアさがここにあります。 最後の最後まで展開がわからないし、田中美佐子さんの迫真の演技、それに答える二宮君のピュアで繊細な演技、癒し系演技の原点がここにあるきがします。 個人的には最後のシーン、長塚さんの演技にやられました。 何度見ても感動できる考えさせられる、大好きな作品です。
おしんと同時期に娼婦役での 映画でした。口 紅の真っ赤な色が印象的です。素晴らしい女優さんです 何回もみています。
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