波止場 [DVD]
エリア・カザンの作品としては、やはり『欲望という名の電車』が一番素晴らしいが、それはマーロン・ブランドの魅力が最も現れているのがこの作品だからであろう。本作品では波止場のゴロツキ・テリー(ブランド)が改心(回心?)し、ギャングが支配する港湾労働者の差配組合を打破、労働者主権の労働組合を確立するであろうという希望を垣間見せるところで終わる。ラストシーン、波止場に浮き出た、ギャングどもの管理小屋から波止場へ上がってくる、いまや英雄となったテリーは、ゴルゴタの岡を登るイエスにも比すべき存在へと変わり、そのほかの多くの沖仲士たちは、「テリーを働かせない限り我々は働かない」という労働者唯一の武器「罷業」行動へと自然発生的に態度を変化させる。しかし罷業への転換は、決して自然発生的に起こったのではなく、彼等の意思として、そうしたのである。沖仲士たちは、決してゴロツキではない。エリア・カザンはそれを示そうとしている。イエスのゴルゴタへの道行きでは、イエスはゴロツキたち多くの民衆に罵詈雑言を浴びせられ、これまたゴロツキである弟子のペテロは3回も「俺はイエスなんて知らない」と叫んでしまう。カザンはペテロをも許し、ゴロツキどもも許す。
そして、今や最期のゴロツキとしてギャングたちだけが残され、沖仲士らにも無視されて取り残されることにことになるのだ。
しかし、今ゴロツキが大統領として居座り、そのゴロツキが世界を仕切る。ゴロツキが相手を「ゴロツキどもをやっつけろ」と連呼しているのだ。全ては「ビジネス」というゴロツキのみかじめのためである。そして、我々沖仲士は、そのゴロツキに阿諛追従し、真のゴロツキに堕落している。
本作品は今こそ観られるべきリアリティに溢れている。沖仲士の敗北の苦味を噛み締めるために。
霧の波止場 [DVD] FRT-290
映画黄金時代の傑作です。何といっても台詞が素晴らしく(脚本が詩人のジャック・プレヴェールだからでしょうね)、更にジャン・ギャバンが好いのです。江湖にお薦めします。
Seventh Avenue South
ウィリー・ミッチェルが亡くなリピーター・バラカンさんのラジオ番組で追悼特集がありました。プロデュースしたアル・グリーンのアルバムを買おうと何度かアマゾンを覗いたところ”おすすめ”にこのアルバムが載っていました。非常に懐かしく、発売、即購入したレコードを思い出しながら、どれどれとレビューを読み始め、私と同じように感じている人がいることに嬉しくなり、是非他の人にも聞いてほしいと思いレビューなど書いたことない私がレビューを書かせて頂きました。最近会社の後輩に「何か良いアルバムないですか?」と聞かれ小坂忠のPeopleを 薦めて感謝されました。次はこれを紹介したいと思います。
石川さゆり ベスト&ベスト 津軽海峡・冬景色~天城越え
つい最近、BSでコンサートが放映されているのを見てすごく素敵だと思い購入しましたが、CDの歌声はあまりに若すぎて別人かと思うほどでした。
悪くは全然ないですけど、今度は最近の歌声を収めた物が欲しいです。