こういう質の高い
セッションが録音物として世に出るのは
中々に喜ばしいことではないでしょうか。
昨今の、所謂「売れている」音楽は(例外もありますが)
「いつも同じメンバー」で「だいたい同じようなレパートリー」を演奏しているものが圧倒的に多く、
予定調和の域を出ないものが大部分のように感じられます。
それに対して、この五人が一堂に会するのは半年に一回程度。
だからこそ生まれる新鮮な緊張感のようなものが
極めて良い方向に作用していると思います。
例えば、他のメンバーのソロに「おー、そう来るかー」とニヤッとしてみたり、
「うわー、たまらん!」という至福の表情を見せたり、
そういうステージ上のインターアクションも楽しめます。
出演者たちがとにかくものすごく楽しんでいること、
そして客席ももちろんそれを共有していることが、良く伝わってきます。
個人的には、則竹裕之氏というと元 T-SQUAREでありフュージョンの人という印象があったので、
彼の書く曲がこんなにもアコースティックなサウンド(特に
チェロ)にマッチする
ということが新鮮な驚きでした。
インスト音楽の面白さ、
セッションの醍醐味というものが
このDVDには凝縮されていると思います。
歌モノしかあまり聴かない、という方にも是非お勧めしたい一枚です。
柏木さんの音楽は楽しいだけではないです。曲により弦の音色が変わるのが魅力ですね。「大地を繋ぐ木の下で」はまさに木から頂いたメロディーで、自然からの呼びかけが聞こえそうです。
僕からしたら今回のDVDは「ヴァイオリンサミット2006」に次ぐぐらい非常に完成度の高い
セッションライブだと思います。
ロックあり、クラシックあり、ポップあり・・・とよくもまぁ、一回のライブでこんなに色々な世界を作り出せたものです、まさに圧巻。
恐らく葉加瀬太郎のモチベーションは「皆、仲良く弾きたい」というもので、演奏者の弾く曲目数がまちまちではありますが全体的にイーブンなんです。
最後は嫌いな人が珍しい程の名曲情熱大陸をオールスター・キャストで弾きます。
あーあ、あの舞台に立てているのが羨ましくなっちゃうなぁw
大好きな柏木さんの
チェロ。柏木さんのおかげで
チェロの音色が好きになりました。個人的には、最後の「大地を繋ぐ樹の下で」がとてもおススメです。聞き惚れます。毎日毎日聴いて癒されています。