喧嘩商売.第1部の連載が終え、再開を約束しておきながら一向に音沙汰無し、遂には「連載再開やるやる詐欺」で全国に指名手配された漫画家、木多康昭先生が3年間に及ぶ逃亡生活の末に確保!そして編集部が下した判決は無期連載!木多先生の永き連載生活が再び始まったのであった…。
最強の格闘技は何か?その問いの答えを知るべく開始された「陰陽トーナメント」。出場者は
横綱力士や柔道の金メ
ダリストといった、世間的に有名な格闘家から喧嘩師やアンダーグラウンドの選手等、裏の世界で名を馳せた者と、正に一癖も二癖もある面々揃い。
喧嘩師.工藤に因縁を持つ十兵衛は、彼とのリベンジ戦を果たす為にトーナメントに電撃参戦することを決意する。その十兵衛が標的に選んだ相手は、不死身ボクサーの石橋強。青龍ホテルを舞台に、アンダーグラウンドの賭け試合で十兵衛VS石橋戦のゴングが鳴る!
面白い!一旦の休載から3年が経過してますが、人物描写、駆け引きを含めたバトル描写は健在。作画が若干変わっていますが、相変わらず上手いです。
トーナメントに出場する為に、石橋と試合して周囲に実力を知らしめる十兵衛。勿論、今回も万全の策をもって望みます。回りの物、相手の心理、そして第3者の行動さえ利用する恐るべき知略ぶり。
対する石橋も、その十兵衛が戦慄に走るような規格外の行動を取ります。荒々しい一方で、冷静に状況を分析したりと、一筋縄ではいきません。
そして描かれる、石橋のおぞましい過去。"絶対者"の父の命令で、継母との快楽にふける歪んだ日々を送ってきた少年期。ある日、その継母が告げた告白、そして直後の彼女の行動…。この際の石橋の台詞にゾッと感じました。
試合ばかりに目を奪われがちですが、ベッティングする会員の1人、マッド.ホッパーのキャラ立ちが面白いです。ブチ切れたり、アホみたいに爆笑したりと無駄にテンションが高い。安西先生知ってるんだ(笑)。
文さんもエラく男前になって…。相変わらずのお茶目っぷりで、ピリピリとしている場を和ませてくれます。関さんに対して不吉な事を言っちゃいますが、関さんは個人的に応援したいキャラですので、是非とも活躍して欲しいですね。
安全策が通用する相手ではないと悟り、危険覚悟で全力をぶつける十兵衛に対し、次第に性的興奮をさらけていく石橋。先の読めない展開で、果たして十兵衛に打つ手はあるのか?次巻も見逃せません。
おまけページには、陰陽トーナメントに出場する16人の格闘家達が1ページずつで紹介。更に、書き下ろし漫画に佐川兄弟の再会エピソードも収録。イカレている睦夫に、冷たいモノを感じる徳夫。そんな2人の間に流れる異様な空気。怖いなぁ…。