普段ここまで高度な内容の科学の本は購入しないのですが、何か興味を引かれるものがあり、思い切って買いました。はっきり言って相当難しい本です。寝る前にさらっと読むとかそんな感じではないですね。今読み始めの段階ですが、読破するにはかなりの時間を要するかと思います。しかしここまで難しいにも関わらず、読めば読むほど興味深い内容のように思えます。IT、コンピュータの技術が急速に進化を遂げ、人類が生物としての特異点を超える未来がやってくる…。そう遠くない未来、「生物」「人間」の概念も変わる時が来るのかもしれません。多少SF的とも取ることができ、賛否両論ありそうな未来予測ですが、近年の科学技術の進化ぶりを見ていると100%ありえないとも言い切れないのではないでしょうか。
「これから先、地球環境は悪化し、絶望的な未来がやってくる」というような悲観的な未来予測が多く、その方が説得力があるように感じてしまうような世の中ですが、そんな中では画期的と言える本かもしれません。科学がこれからもますます進化していくことは間違いないでしょうし、進化の先に行き着く未来はどのようなものか…。著者の示す「特異点」を超越する未来はやってくるのか…。読み終わった後にはものすごい未来像が読者の中に描かれていることでしょう。科学技術の進化の果ての未来を示した、非常に興味深い一冊です。
2000年問題、2036年問題と続き、はて 2045年には何があったっけ? と
興味をそそられて購入しました。
タイトルの付け方が上手ですね (^^;
内容を一読して「ああそういえばそうだ」と、研究者やエンジニアなどの
理学/工学/情報/医学/生物学系の人は、さほど目新しい内容が書かれている
わけではありません。本書の特筆すべき点は、文章が極めて平易でさほど
前提知識がなくてもすらすら読める書き方です。現代はプレゼン能力が
求められる時代ですので、分かりやすく伝える書き方、というものを
本書から学ぶことができました。
さて本書で読み応えがあったのは、後半から続く未来世界の話です。
これは技術的特異点として繰り返し説明されていますが、要は
「コンピュータや人工知能の性能が人間を超えたとき、
そこから想像できない進化が始まる」
という主題です。想像のできない進化は、まさしく想像ができないので、
SF映画やアニメのような世界を想像するしかないのが悔しいところです。
しかしそのころは私も現役ですから、とてもワクワクする話で今から楽しみです。
高校生〜大学生の若人は、自分たちの時代の未来を知る手がかりとして、
現役で活躍している世代は、分かりやすい説明を学ぶツールとして本書を
読むと良いと思います。